特定非営利活動法人Re・Life

事務長の独り言blog

性的虐待を見逃さない―事業所に求められる心構えと対策

2026年9月30日

宮崎市大橋にあります「 生活介護事業所 」ねいろ の なかにし です。

当事業所「ねいろ」では本日は防災訓練を行いました。消防の方に来ていただいて消火器の使用方法などを教わり、利用者の方たちと職員で避難の仕方・シミュレーションを実施しました。天気にも恵まれた日でしたので、良い訓練ができたのではないでしょうか。ただし、自然災害はいつ起こるか分かりません。この訓練で浮き彫りになった課題等を整理して来る災害に十分に備えたいと思います。

さて、先日の新聞にこうありました。
警視庁少年育成課が昨年取り扱った主に20歳未満の性被害事件のうち、摘発全体の1.0%で被害者に知的や精神障がいがあると確認されたようです。これは、障がいのある方たちが弱い立場にあることを考えると、件数が少ないとは思えないと感じております。
障がい福祉サービスにおける虐待防止の基本は、利用者を支援の対象としてだけでなく、尊厳と権利を持つ一人の人として尊重することです。なかでも性的虐待は密室で起こりやすく、本人が被害を認識できない、断れない、相談方法が分からないなどの理由から、表面化しにくい特徴があります。
障がい者虐待防止法における性的虐待とは、障がいのある人にわいせつな行為をすること、または、わいせつな行為をさせることです。身体を性的な目的で触る・触らせる、性的な言葉を投げかける、裸や性的な画像を撮影する、性的な映像を見せるなども含まれます。
職員と利用者の方たちには、支援する側と支援を受ける側という力関係があります。本人が拒否しなかったり、表面上は同意しているように見えたりしても、職員への依存、恐怖、理解の難しさなどから断れない場合があります。「嫌と言わなかった」「親しさの表現だった」という説明だけで、本人の同意があったと判断してはいけません。
事業所では、虐待防止委員会、虐待防止責任者、職員研修、相談・通報手順を整備し、性的虐待を具体的に取り上げることが必要だと思っています。更衣、排せつ、入浴、送迎など、職員と利用者の方だけになりやすい場面について、本人の意思とプライバシーを守りながら、支援方法や記録、職員配置を確認します。業務上必要のない身体接触、私的なSNS交換、個人端末による撮影、職員個人からの贈り物や秘密の約束などについても、明確なルールを設けます。これは当事業所「ねいろ」では当たり前のこととして実行しています。
防止策は、すべての支援を複数人で行うことではありません。密室化や職員への権限集中を避け、誰がどのような支援を行ったかを確認できる環境をつくることが重要です。特定の職員が一人で介助したがる、利用者がその職員を急に避ける、表情や行動が変化するなどの兆候も、決めつけずに記録し、チームで検討します。
被害の訴えがあった場合は、否定したり本人を責めたりせず、「話してくれてありがとう」と受け止めます。誘導する質問や何度もの聞き取りは、本人の負担や記憶の混乱につながるため、本人の言葉をそのまま記録し、安全確保を優先します。
虐待を受けたと思われる利用者を発見した職員には、市町村への通報義務があります。事実が確定していなくても、疑いの段階で通報できます。事業所内だけで判断して終わらせず、必要に応じて医療機関、警察、性犯罪・性暴力被害者支援機関等と連携します。
性的虐待を防ぐために最も大切なのは、違和感を声に出せる職場風土です。小さな気づきを共有し、隠さない、放置しない、利用者の方の尊厳を最優先にする事業所づくりを続けていきます。

それでは。

〒880-0022
宮崎県宮崎市大橋二丁目167番地
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生 活 介 護 事 業 所 ね い ろ
事務長 中西 茂寿
【公認心理師】【社会福祉士】【精神保健福祉士】