報酬改定による影響~就労継続支援A型事業所の場合~
2025年6月11日
こんにちは。
宮崎市大橋にあります「 生活介護事業所 」ねいろ の なかにし です。
駄菓子の歴史をたどると、江戸時代にまでさかのぼることになります。白砂糖で作られた高級な上菓子に対して、雑穀や黒砂糖で作った安価で大衆的な菓子が「駄菓子」とされたようです。その駄菓子ですが、手ごろな価格で楽しめるはずが、昨今の物価高によって値上がりしているみたいです。原材料費の高騰などで禁煙は価格改定が続いて、10円で買えるお菓子というイメージは昔のものとなりました。経営難や消費税の導入などを背景に、駄菓子屋さんは街から姿を消しています。経済産業省によると、駄菓子屋さんを含む菓子小売業の事業所数は1994年は5万以上ありましたが、21年には約6,000カ所と9割減ったようです。一方でコンビニやディスカウントストア、オンラインショップなども取り扱うようになって、販売経路は多様化しています。
福祉事業所の閉鎖も相次いでいます。
障がい者の仕事や生活の場となる福祉事業所の閉鎖が相次ぎ、2024年の倒産は37件、休廃業や解散は175件でともに過去最多となっております。低採算の場合は国からの報酬を下げて、経営改善を促そうとした改定によって、運営自体が行き詰まるケースが増えたのです。すぐに再就職できないケースも多いと聞きます。これらの制度については、今後再検討を考えていく必要があると思います。
福祉事業所は一般企業で通常の就労が難しい人たちが勤める事業所です。足元で特に逆風が強いのが、障がい者が雇用契約を結んで働く就労継続支援A型事業所だと思います。雇用なので最低賃金以上の給与をお支払いする必要があり、もうからないからといってコストを削れる余地がもともとありません。さらに追い打ちをかけるように物価高で原材料費などもかさむ苦境が全体に広がっています。24年4月の報酬改定では、生産活動の収益が賃金総額を下回る場合は原点となり、月に数十万~数百万円の引き下げになるケースがあったようです。これには理由があり、国からの給付金目当てで参入する悪質な事業者を排除する願狙いがあったためだといいます。これでは経営体力のない事業所の存続は大変難しいものとなります。
さらに言えば、企業経営のA型事業所しか生き残れなくなるでしょう。親会社側が一定以上の金額で業務を発注すれば、事業所の収支は表面的には釣り合います。こうした関係では実際の仕事に見合った賃金を支給して利用者の自立を後押しする本来の主旨にそぐわないと思います。今後、地域格差も広がる恐れがあると聞きます。都市部はまだ企業や事業所の数が多く、他の支援機関との連携もしやすいと思いますが、私たちのような地方ではもともとの事業所数が少ないために利用者の選択肢がただでさえ乏しくなります。
厚生労働省によると、A型事業所の4割は23年度の事業収支は赤字だったようです。閉鎖の波がとまらなければ、受け皿は一段と少なくなるでしょう。
それでは。
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生 活 介 護 事 業 所 ね い ろ
事務長 中西 茂寿
【公認心理師】【社会福祉士】【精神保健福祉士】
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事務長プロフィール
公認心理師、社会福祉士を保有する事務長です。