支援の終結において大切なこと
2023年7月20日
皆さん
こんにちは。
宮崎市大橋にあります「 生活介護事業所 ねいろ 」の なかにし です。
2022年6月時点で企業に雇用されている障がいを持った方は61万人と過去最高を記録したそうです。法律で定められている雇用すべき障がいを持った方の割合(障がい者雇用率)は2.3%です。
これは、障がい者雇用率を達成している企業が半数を満たないということも示しております。
国は、2026年までにこの雇用率を2.7%へ段階的に引き上げて、10万人の雇用を増やす計画をしております。
社会の仕事は目まぐるしく変化しております。そうした中で、今までのやり方で障がい者の雇用をしようとしてもなかなか難しい状況です。数値目標だけを目的とせずに、障がいを持った方が対応できる仕事の選択肢を増やして、働きやすい環境を作っていくことがこれからは最も重要になると感じております。
さて、学習とは心理学的に言うと、経験による持続的な行動変容と解釈できます。
この学習には理論がありまして、大きく古典的(レスポンデント)条件づけとオペラント条件づけがあります。
スキナー箱というのを聞いたことがある人もいるかもしれません。
スキナー箱は、ネズミやハトが自由に動き回れるくらいの大きさで、内部にはブザーやランプ、押せば餌の出るレバーやボタンがあります。
例えば、ブザーが鳴ったときにネズミがレバーを押すと、餌が出てくることを繰り返していると、ネズミはブザーが鳴ったときのみレバーを押すようになります。この場合のレバーを押すことがオペラント行動を言い、そのきっかけとなるブザー音が弁別刺激(オペラント行動を生起させる他の刺激とは区別された刺激)で、餌が強化子と呼ばれております。
このオペラント条件づけというのは、弁別刺激→オペラント行動→強化子という三項随伴性によって成立するというのが一般的です。
依存症とは『安心して人に依存できない』病気だと聞きました。
さらに、中毒(Addiction)の反対語として、つながり(Connection)だと勉強しました。
私たち生活介護事業所「ねいろ」はこの人との「つながり」を通して支援をしております。しかし、ほんの些細なことがきっかけでこの「つながり」が切れてしまうことがあります。
そうするとどうでしょう?安心して依存できる所がなくなってしまします。
それでは本当はいけません。
質問には「開かれた質問」と「閉じられた質問」があります。
簡単に言うと、「はい」「いいえ」で答えられるかどうかでどちらかの質問になります。
「開かれた質問」であれば、「どのように感じましたか?」のように、一言では言えず、自由に応えてもらう質問の仕方です。
一方、「閉じられた質問」であれば、「はい」「いいえ」で答えられる質問や、年齢や出身地など一言で答えられることが可能な質問です。
インテーク面接では、基本的に「開かれた質問」によって自由に語ってもらうようにしますが、必要な情報だけ得るためには「閉じられた質問」も行い、必要に応じて、ご本人の方の動機づけや意思を確認することがあります。
支援の終結についても同じだと思います。
一方的に、閉じられた形で終わってしまわないように、「いつでもご連絡くださいね」と一言添えるだけでも違うと思います。必要に応じて、他事業所をリファーしたりしながら、次の生活にスムーズに移行していけるように援助することが大切だと思います。
支援過程においては、この終結・終わりの時には、最も重要な感情が表出することがあります。
しかし、事業所としては再利用の受入れが可能であることを伝達する、いわゆる「オープン・ドア」の姿勢を保つことが大事だと思っております。
それでは。
宮崎県宮崎市大橋二丁目167番地
特定非営利活動法人Re・Life
生 活 介 護 事 業 所 ね い ろ
事務長 中西 茂寿【公認心理師】【社会福祉士】
カテゴリーcategory
事務長の独り言post blog
事務長プロフィール
公認心理師、社会福祉士を保有する事務長です。