特定非営利活動法人Re・Life

事務長の独り言blog

ビジネスケアラーを経営課題に

2025年6月4日

こんにちは。
宮崎市大橋にあります「 生活介護事業所 」ねいろ の なかにし です。

ドイツの企業が近年、病欠の多さに懸念を示すのは少子高齢化で労働力の落ち込みが深刻なためだといいます。ドイツでは他の主要国より社会保障制度が手厚くなっており、そのことも病欠の多さにつながっています。さらに、最長6週間まで100%の給与が保障されています。よって、風邪などの症状があれば収入面の影響を気にせずに休めることができます。日本では労働基準法で病気休暇に関する明確な説明はありません。そのために病欠の対応というのは、それぞれの就業規則をもとに判断しています。しかし、病欠日数といったデータを開示する企業が少しずつ増えてきています。日本はコロナ禍前の16年で約2.6日との分析結果が出ています。かたや寿命が延びて高齢者人口の比率が高まり、家族を介護しながら働く「ビジネスケアラー」が300万人を超えたといいます。生産性の低下などで企業が被る損失は9兆円に達する見通しです。職員の介護負担を経営問題と位置づけて、効果的な両立支援というのは喫緊の課題といえます。
2025年に人口の多い団塊の世代はすべて75歳以上の後期高齢者となりました。65歳以上の高齢者は約3,600万人と全人口の3割を占めて、要介護・要支援認定率は約20%なのです。
現役世代の介護負担は高まる一方であり、経済産業省は24年、家族などの介護に従事する就業者を「ビジネスケアラー」と定義して、企業に支援を促す指針を出しました。経済産業省の予測では、このビジネスケアラーは15年の232万人から30年には318万人に急増するようです。さらに、25年の介護離職者というのは11万人にのぼります。
育児に比べて期間を見通しにくい介護は、当事者が周囲に負担を隠そうとする傾向がありますので、問題自体が顕在化しにくいのが現状です。
そうした中、石破首相の肝いり政策の一つである日本版CCRC(小規模・地域共生ホーム型)があります。この基本構想は「それぞれが持つ能力を希望に応じて発揮し、生きがいをもって暮らすことができる場」と位置付けています。住み慣れた場所で老後を過ごすことができるように居住空間を確保し、地方の高齢者や中高年層の都会への流出を防ぎます。さらに、障がい者グループホームを併設する形態の施設もつくり、親を亡くした障がい者の住まいとします。
これからは、本格的に介護と仕事、両立の時代が到来するかもしれませんね。

それでは。

宮崎県宮崎市大橋二丁目167番地
特定非営利活動法人Re・Life
生 活 介 護 事 業 所 ね い ろ
事務長 中西 茂寿
【公認心理師】【社会福祉士】【精神保健福祉士】