福祉に携わる時に求められる基本姿勢とは
2023年10月30日
こんにちは。
宮崎市大橋にあります「 生活介護事業所 ねいろ 」の なかにし です。
精神疾患の本態というのはまだはっきりと解明できていないようです。
アメリカの精神疾患の診断と分類によると、本人がひどく苦しんでいるか生活に大きな支障が出ている場合にのみ精神疾患と診断するようです。しかも精神的な苦しみや生活の支障というのは、あくまでも本人の主体的な判断が尊重される必要があります。
私たちは診断ということが業務上出来ませんが、精神疾患の診断というのは基本的に症状を軽くするために適切な治療を実施していくためのものだと思っております。
誰にでも言動の偏りはあります。それが病的であるかどうかを判断する客観的な指標というのは確立されておりません。それでも病名をつけて診察します。それはその状態に苦しんでいる人がいるからでしょう。心身の不調のために苦しんでいる人がわずかでも楽に自分らしい生活を送れるように手助けをすることが、私たちも含めて医療に携わっている人の役目だと思います。
例えば、心理職の観点から臨床の業務に携わるに際して求められる基本姿勢というものがあります。
それは、時・処・位(じ・しょ・い)を基本として考えるということです。
まず、当事者にとって心理療法や支援が持つ意味を十分に吟味する必要があります。
優先されるものがないか?そして他に良い方法はないか?(法律相談や生活支援の専門家が適切な場合も)
そして、人の生き難さという問題を「生物・社会・心理モデル」で考えるということです。
どういう素質を持ち、どういう人間関係の中で、どういう時間的経過の中で、今日に至っているか?
現在の状態はどうかということを考えるということです。
さらに、利用者(クライエント)の今、現実を時間軸と空間軸で考えることです。
人生をどのように考えて生きてきた人か、そして現在、どのような環境(家庭や職場の人間的、物的環境など)に置かれ、いかに対処しようとしているか、を人生の流れとして理解することです。
その上で、今どのような支援が適切かを考える必要があると思います。
全体を考え、全体の中に個別の要因が関連し合っていると認識しておくことが必要です。
欠点ではなく、その人の潜在的な可能性を見出し、自己治癒力、自然回復力を引き出すのは私たちの支援力ではないでしょうか。
私たちができること、着手可能なことは何かということを全体状況の中で考えることが重要だと思います。
それでは。
宮崎県宮崎市大橋二丁目167番地
特定非営利活動法人Re・Life
生 活 介 護 事 業 所 ね い ろ
事務長 中西 茂寿【公認心理師】【社会福祉士】
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公認心理師、社会福祉士を保有する事務長です。