生活介護事業所でも生産活動は行えます!
2023年4月19日
皆さん
こんにちは。
宮崎市大橋にあります「生活介護事業所 ねいろ」の なかにし です。
障がい者の法定雇用率は現在、民間企業は2.3%、国、地方公共団体は2.6%、都道府県等の教育委員会は2.5%となっております。
なお、民間企業においては2024年に2.5%、2026年7月には2.7%に引き上げられる予定です。
先日、この法定雇用率を形式的に満たすために「雇用代行ビジネス」たるものが利用されているとして国会で問題視されました。法定雇用率を達成するよう労働局から指導を受けている最中に利用を決めた企業が多く見られたようです。障がいを持った人を企業間で1年ごとに入れ替えれば、無期雇用転換ルール(有期契約の雇用が5年超で無期契約に変えられる)を回避できるとの説明資料を利用企業に配っていたらしいです。これはとても不適切な事例だと思います。
当事業所でも障がいを持った方を雇用しておりました。公共職業安定所からの紹介を経ての採用でした。私たちとしてはとても頼もしく、また即戦力となっていただいておりました。また、出来ることを一生懸命に行ってくれる姿は職員に浸透し、出来ないことに目を向けるのではなく出来ることを毎日していだだき、出来ることを続けていればその業務のプロフェッショナルになるということを教えていただきました。
生産活動では、スポーツ用品の縫製業務を担い納期に間に合わすべく作業を黙々と行ってくれました。丁寧かつ迅速な対応を心がけていただき、依頼してくれた会社からはお礼など多くのありがたいお言葉をいただいておりました。この生産活動においては今も継続中です。
255枚の子ども用の水着にタグを付けて畳んで袋詰めをする作業を終えて近々納品をする予定となっております。また、小さな布フックを電気の熱を加えてに二つに折り留める作業も現在継続して行っております。約9,000枚くらいでしょうか。月末までには納品する予定です。
この生産活動ですが、生活介護事業所ですので義務ではありません。よって、生産活動を行う際には市役所に確認をしにいきました。それは工賃を利用者の方に支給したかったからです。
話を頂いたときは大変ありがたかったのを覚えております。スポーツ用品の縫製を営んでいる社長さんから「縫製業務の補助は事業所でできますか?」と言われて二度返事で受けたのを覚えております。
最初は単調な作業のみでしたが、今は裁断から畳み作業、箱詰め等多岐に渡ります。
工賃を支給出来るようになり、少ない額ではありますが社会との繋がりを持ち、そして何よりこの業務を担っているという誇りと必要とされていることがとても重要なことだと思っております。
工賃管理規程に則り、利用者の方に平等に工賃を支給しております。しかし、市役所からはこう言われております。「赤字にはしないように」と。これは大変難しいことです。なぜなら、収益というのは常に一定ではありませんが、経費というのは一定しているものに近いからです。収益から生産活動に掛かった経費を差し引いて平等に利用者の方に工賃を支給しております。そしてその生産活動は赤字にはしてはならず、収益を出し過ぎてもいけないと言うのです。これも大変難しいことです。トントンが好ましいのです。
よって、生活介護事業所ねいろでは、収益から生産活動に掛かった経費を差し引いた分を余すことなく10円単位で工賃を平等に支給して、常に赤字にもならず若干の黒字になる程度で工賃を毎月支給することにしております。
まあ分かるんです。介護報酬を受け取っておりますのでその公金を赤字部分に補填してはいけないということだと思います。しかし、企業努力の末にこうした活動を行えるということを理解していただきたい。また、協力していただける企業があってこその生産活動だということも分かっていただきたい。
就労系のサービスではありませんので、収益にこだわることはありませんが生活介護事業所でももっともっとたくさんの生産活動を行えると感じております。もちろん、その仕事があるからです。
職業のリハビリテーションの目標は、必ずしも職業復帰や経済的自立のみではありません。しかし、人が障がいの有無によらず、働きがいのある人間らしい仕事をもつことの重要性が認識されております。
もう少し柔軟な制度にしていただければと願っております。
それでは。
事務長 なかにし の独り言でした。
宮崎県宮崎市大橋二丁目167番地
特定非営利活動法人Re・Life
生活介護事業所 ねいろ
事務長 中西 茂寿【公認心理師】【社会福祉士】
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事務長プロフィール
公認心理師、社会福祉士を保有する事務長です。