1,000円を超えた最低賃金
2023年10月25日
こんにちは。
宮崎市大橋にあります「 生活介護事業所 ねいろ 」の なかにし です。
2023年度の最低賃金は全国平均で時給1,004円と初めて1,000円を超えました。宮崎県も10月6日から最低賃金が897円となりました。
では、最低賃金が与える影響とはどのようなことがあるのでしょうか。
最低賃金は人を雇う時に必ずその金額以上の賃金を払わないといけない制度です。日本では都道府県ごとに水準を決めていますが、物価の高い都市部ほど最低賃金も高くなる傾向があります。働く人たちは賃金の高い場所を求めるために、最低賃金が高い都市部に働き手が集まるのは自然の流れだと思います。よって、人手不足に悩む宮崎県のような地方の危機感は強いのです。
多くの業種では賃上げを迫られるために、商品やサービスの値上げが広がるかもしれません。値上げの難しい中小企業の経営が悪化する恐れもあり、経済全体への影響を見極めるには時間がかかりそうです。
先進国の中で日本の最低賃金は高いとはいえません。韓国の水準を下回っているのです。
では、そもそも最低賃金とはなぜあるのでしょうか?
働き手は経営者よりも立場が弱い傾向にあります。特にパートなど非正規労働者は労働組合を通じた交渉も難しいのが実情です。そこで国として法律を定めて、基準より低い賃金を支払うことを禁止するのが最低賃金の仕組みです。
日本の最低賃金法では低賃金で働く人の労働条件を改善することを通じて、生活を安定させ、労働力の質向上や事業の公正な競争が実現することを目指しております。
ではどうやってきまるのでしょうか?
政府と都道府県の2段階で決まります。まず毎年夏に、学識経験者と労使代表からなる国の審議会が目安額を提示します。これを踏まえて各都道府県の審議会が実際の金額を答申するのです。審議会では地域ごとの生計費や賃金の動向、事業者の支払い能力などをもとに金額を話し合います。労使から異議申し立て手続きを経て、改定額は毎年10月頃順次発効されます。
今後もこの最低賃金は上がるのか?
岸田文雄首相は8月、最低賃金についてこう述べております。
「2030年代半ばまでに全国平均が1,500円となることを目指す」
継続的な賃上げを実現し、デフレからの完全脱却と経済成長を実現するのが狙いのようです。今年と同じ上げ幅が今後も続いていけば、2035年には1,500円超えが実現します。
ただし、景気が悪化すれば引上げ幅は減少するでしょうね。
私たちの業界でも、企業努力により事業継続のために、職員の方たちへの還元を行っております。来年から?新しい処遇改善加算が出来るような話も聞きます。職員みんなの賃金を継続的に上げて、他業種と遜色ない賃金ベースにしていくには、処遇改善加算を取って職員の皆さんへ賃金として今以上に還元していかなければならないと思っております。
働く人たちにとって、良くなる施策を求めます。この新しい加算については、分かり次第またお伝えいたします。
それでは。
宮崎県宮崎市大橋二丁目167番地
特定非営利活動法人Re・Life
生 活 介 護 事 業 所 ね い ろ
事務長 中西 茂寿【公認心理師】【社会福祉士】
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事務長プロフィール
公認心理師、社会福祉士を保有する事務長です。