特定非営利活動法人Re・Life

事務長の独り言blog

要配慮者への理解を深めていきましょう

2023年10月24日

こんにちは。

宮崎市大橋にあります「 生活介護事業所 ねいろ 」の なかにし です。

厚生労働省は10月23日、障がい者向けのグループホームを地域住民たちが訪問して、運営状況を点検する制度を導入する方針を有識者検討会に提示しました。
不適切支援や虐待が一部のグループホームで問題となって、ある大手運営会社による食材費の過大徴収も判明しております。外部の意見を聴く機会を設けて、運営の透明性を高めて改善を促すようです。
食材費の過大徴収を受けて厚生労働省は、全てのグループホームの徴収が適正かどうかを定期的な監査などで確認するように全自治体に20日付で通知しております。これには、徴収状況の確認を全国的に徹底するのが目的のようです。
とても良いことだと思います。当事業所「ねいろ」のような事業所も含めて、どうしても事業所は閉鎖的なイメージがあります。このように、地域の方々や有識者たちからの点検を受けて、透明性のある運営状況が理解されれば、もっともっと福祉サービスの必要性が社会に認知されていくのではないでしょうか。

宮崎県民の障がい者への理解も不足しているようです。障がい者への理解については、分からないや、以前より理解が深まったがまだ不十分、深まっていない、などの意見が出ております。
このうち、重度の知的、四肢障がいが重複する重症心身障がい者の回答によると、以前より深まったがまだ不十分、深まっていない、などと特に理解を得ている実感がない現状が浮き彫りとなっております。
これを受けて、県障がい福祉課は「障がいで分け隔てられることなく地域で共生できる社会を念頭に計画を取りまとめていく」と言っております。
例えば、災害などがあった場合、支援者だけでなく皆さんに理解してもらいたいことがあります。
サイコロジカル・ファーストエイド(PFA)という言葉です。
これは、要配慮者の方たちが深刻な危機的出来事に見舞われた時に対して実際的な支援として行われますが、専門家が行うカウンセリング等とは異なり、専門家にしかできないものではなく、医療関係者だけでなく、防災、教育、治安、行政、産業などに従事する人や、NGO、NPOやボランティア関係者の方たちのために作成されております。
このPFAの活動原則は、「見る」「聞く」「つなぐ」です。手を触れずに行える活動なのです。
「見る」は、安全確認や、明らかに急を要する基本的なニーズのある人、深刻なストレス反応を示す人の確認を意味しております。
「聞く」は、支援が必要と思われる人々に寄り添い、耳を傾けて、気持ちを落ち着かせる手助けをすることなどを意味しております。
そして、「つなぐ」は、自分で問題に対処できるよう手助けしたり、情報提供や社会的支援などと結びつけたりすることなどを意味しております。
このように、緊急時や災害時には実際に役立つ支援や情報を提供して押し付けるのではなく、一人ひとりが配慮の必要な人たちを見て、聞いて、つなげることは誰しもが出来るということなのです。
とても大切なことの一つである安心感を与えること、それを障がいを持った人たちの理解を深めることから始めてみませんか。

それでは。

宮崎県宮崎市大橋二丁目167番地
特定非営利活動法人Re・Life
生 活 介 護 事 業 所 ね い ろ
事務長 中西 茂寿【公認心理師】【社会福祉士】