高次脳機能障がいの理解と支援について
2025年10月30日
こんにちは。
宮崎市大橋にあります「 生活介護事業所 」ねいろ の なかにし です。
暑かった夏もいつの間にか終わり、今は朝夕がとても寒く感じます。酷暑によって働けなくなるなどして失ったものというのは多岐に渡るようです。例えば、農業や建設業は屋外で動けなくなったり、作業のスピードが著しく鈍ったりします。空調が不十分な工場では仕事がはかどらなくなるでしょう。暑さによる労働損失というのは年々大きくなっているようで、2018年は1,336億時間だったのが2024年は6,390億時間となっているのです。日本においては、2024年は気温の高い日が48.5日あったのですが、このうち6割は気候変動がなければ起こらなかったらしいのです。日本でも年間14億2,000万時間の潜在的な労働時間が失われたといいます。労働時間が失われるということは、総じて所得の損失もあるということを私たちは忘れてはいけません。そして、熱中症など高温に起因する理由での病気や鉄砲水や土砂災害を引き起こすような大雨のような災害、健康に影響を与える異常気象、感染症、森林破壊など多くのことがこれからも私たちの環境を脅かすことになりそうです。
さて、先日私は「高次脳機能障がい」についての研修を受講してきました。
高次脳機能障がいという用語には、人において特に高度に発達した、記憶、思考、言語などの心理機能を指していて、学術的には脳損傷の結果そのいずれかが障がいされると高次脳機能障がいと呼びます。失語症(話す、きいて理解する、書く、読むといった言語機能の障がい)、失認症(視覚や聴覚を通して対象を認知する機能の障がい)、失行症(着衣などパターンのある行動を行う機能の障がい)などは、脳の損傷からでる症状だと言われています。今回、私が受講してきた研修では、記憶障がい(覚えられない・思い出せない)、注意障がい(集中できない・注意の転換ができない)、遂行機能障がい(行動の計画・適切な実行ができない)、社会行動障がい(感情制御ができない・周囲の配慮ができない)のことが主でした。
私たちが支援員としてできること、それは一口に高次脳機能障がいといってもその現れ方は人それぞれですので、利用者の方の個々の困り感や利用者の方にとっての問題に寄り添うことがとても大切だと感じております。さらに、家族の方々、その周囲の方たちに高次脳機能障がいのある利用者の方の今できること・できないこと、そして今後できそうなこと・できそうもないことなどについて、家族が過大な期待を持ちすぎたり、過小な期待しか持っていなかったりすると、それもまた高次脳機能障がいのある方に影響することがあります。
私たち福祉の現場に関わる専門職と言うのは多種多様な人がおります。そうした人たちと協力しながら、専門職として高次脳機能障がいのある方を、その対人関係の中で時間をかけて支援してくことが私たちの責務だと感じました。今回の研修を受講して、大変勉強になりました。
それでは。
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生 活 介 護 事 業 所 ね い ろ
事務長 中西 茂寿
【公認心理師】【社会福祉士】【精神保健福祉士】
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公認心理師、社会福祉士を保有する事務長です。



