【高次脳機能障がい】認知されにくく本人が一番苦悩されています
2024年8月7日
こんにちは。
宮崎市大橋にあります「 生活介護事業所 」ねいろ の なかにし です。
本日の宮崎日日新聞にも記載されておりましたが、高次脳機能障がいとは認知されにくいものであると思います。
言語障がいは、ろれつが回らない構音障がいと呼ばれるものと、相手の話す言葉が理解出来なかったり、自分で話そうとする言葉が思うように出てこなかったりする失語症があります。
言語の優位半球が大脳と呼ばれる箇所の左側にあることはご存知の方も多いと思います。一般的に右利きの人では99%が左半球が言語優位半球と言われております。言語中枢は、左側頭葉下後方にあるブローカ野と、左側頭葉下後方にあるウェルニッケ野の2つ領域だと言われております。
ブローカ野の損傷による失語症の特徴は、相手の言葉を聞いたり文章を読んだりして理解することは出来るのですが、話すことが難しく、話し言葉の流暢さに欠けます。
また、ウェルニッケ失語症の症状は、誤った語句や用語の多い発語が特徴です。流暢に日常会話は出来ますが、自分が失語症であるという病識に欠けているので、意味のない発語が多く相手に話の内容が伝わりません。ウェルニッケ失語では、言葉は出ますが、聞いて理解する能力の低下があります。
では、高次脳機能障がいはどうでしょう。
高次脳機能障がいは外見は以前と変わらないのに、脳損傷の後遺症などによって失語や記憶、注意などの認知機能が低下する障がいがあるのが特徴的です。
交通事故や病気等により脳に損傷を受けて、その後遺症等として、記憶、注意、遂行機能、社会的行動といった認知機能(高次脳機能)が低下した状態を「高次脳機能障がい」と呼んでおります。日常生活の中で現れ、外見からは障がいがあると分かりにくく、「見えない障がい」や「隠れた障がい」とも言われております。もちろん、高次脳機能障がいによって、日常生活や社会生活に制約があると診断されれば、精神障がい者保健福祉手帳の申請対象となります。
学術的には、高次脳機能障がいは、脳損傷に起因する認知障がい全般を指し、記憶障がい、注意障がい、遂行機能障がい、社会的行動障がいの他、いわゆる巣症状としての失語・失行・失念なども含まれます。
代表的な症状としては以下の通りです。
・記憶障害では、物の置き場所を忘れる。新しい出来事を覚えられない。同じことを繰り返し質問する等があります。
・注意障がいでは、ぼんやりしてミスが多い。二つのことを同時に行うと混乱する。作業を長く続けられない等があります。
・遂行機能障がいには、自分で計画を立てて物事を実行することができない。人に指示してもらわないと何も出来ない等があります。
・社会的行動障がいでは、興奮する、暴力を振るう。思い通りならないと大声を出す。自己中心的になる等があります。
そうした中、障がい福祉サービスでは高次脳機能障がいを有する方への支援の充実として、研修を受講して手厚い支援を提供するようになりました。
日常生活や社会生活が困難であると感じる方がいらっしゃいましたら、行政に申請をし高次脳機能障がいであると認定をもらい、「精神障がい者保健福祉手帳」を交付してもらってください。
治療にかかる費用の軽減や社会復帰のためのリハビリテーションや福祉サービスを受けられるようになります。
正しい支援を行っていけば、症状による生きづらさを解消することが出来ると思います。そうすれば、その方らしい社会生活を送ることが出来るのです。
事業所としても、高次脳機能障がいを有する方への専門的支援の提供をすることで支援者の支援力の向上が図れます。さらに、当事業所「ねいろ」だけでなく、相談支援事業所や市町村を中心とする身近な地域での支援ネットワークの強化が図れると思います。
以下に、相談窓口や家族会の情報を記します。
【宮崎県身体障がい者相談センター】
宮崎市霧島1-1-2宮崎県総合保健センター5階
電話:0985-29-2556
【みやざき高次脳機能障がい家族会(あかり)】
定例会:毎月第3土曜日
時 間:13:30~15:30
場 所:宮崎県総合保健センター4階
リハビリテーション交流室
連絡先:090-6421-1192
それでは。
宮崎県宮崎市大橋二丁目167番地
特定非営利活動法人Re・Life
生 活 介 護 事 業 所 ね い ろ
事務長 中西 茂寿
【公認心理師】【社会福祉士】【精神保健福祉士】
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事務長プロフィール
公認心理師、社会福祉士を保有する事務長です。