特定非営利活動法人Re・Life

事務長の独り言blog

「暑さ指数」の活用について

2025年8月4日

こんにちは。
宮崎市大橋にあります「 生活介護事業所 」ねいろ の なかにし です。

労働災害による休業4日以上の死傷者数が23年に13万5371人とこの10年間で14.6%増えました。働く高齢者が増えたことが増加の背景にあるといいますが、労災発生率は年齢を重ねるほど上がっています。また、精神障がいによる業務災害も増えています。24年度の申請件数は3780件で5年間と比べて83%も増えています。厚生労働省は社会的な関心の高まりや申請の要件緩和が増加の背景にあるとみています。
労働災害として気になるのは、この猛暑により熱中症になる人が相次いでいることです。皆さんは「暑さ指数」をご存知でしょうか。
暑さ指数には、気温に加えて湿度や太陽からの日射や道路からの照り返しなど輻射熱の影響が加味されています。湿度が高いと汗の蒸発が進まずに体温が上がりやすくなるため、熱中症のリスクを把握するには気温より暑さ指数が適しています。
算出方法は以下の通りです。
1.通常の温度計で測る、乾球温度
2.温度計の球の部分に湿ったガーゼを巻いて測る、湿級温度
3.黒色の球の仲に設置された温度計で測る、黒球温度を1対7対2の割合で足し合わせます
それぞれの測定器の名称から、暑さ指数は湿球黒球温度と呼ばれています。この暑さ指数は、気象庁や環境省が熱中症アラートを出す基準となっています。33以上では熱中症警戒アラートが発表されます。しかし、この暑さ指数の認知度はまだ高くないのが現状です。気温よりも正確に熱中症のリスクを評価できる指数なので、対策のために仕組みまで理解しておくことが大切だと思います。
熱中症の増加は温暖化による悪影響のひとつですが、それを軽減する適応技術が登場しても誰もが使えるわけではありません。所得が低いなどの理由で経済・社会的弱者は技術を使えずに適応格差が生じます。エアコンを稼働させずに熱中症になるのは、所得の違いによって電気代の負担感に差が生じる適応格差の一例です。この温暖化対策は技術だけでは解決策になりません。最大限多くの人が恩恵を受けて、新たな格差を生まないよう社会・経済の仕組みを踏まえた対策が必要なのです。
少しの環境の変化でも暑さの感じ方は変わります。危険な暑さが続いていますので、暑さ指数を通して熱中症のリスクを正しく把握しつつ安全に今年の夏を楽しみましょう。

当事業所「ねいろ」は、本日トイレにエアコンを設置して快適な環境を整えます。

それでは。

〒880-0022
宮崎県宮崎市大橋二丁目167番地
特定非営利活動法人Re・Life
生 活 介 護 事 業 所 ね い ろ
事務長 中西 茂寿
【公認心理師】【社会福祉士】【精神保健福祉士】