特定非営利活動法人Re・Life

事務長の独り言blog

サイコロジカル・ファーストエイドとは

2024年1月10日

こんにちは。

宮崎市大橋にあります「 生活介護事業所 ねいろ 」の なかにし です。

能登半島地震によって被災された皆さまに心からお見舞い申し上げます。更なる被害に遭わないことを願いつつ、被災された地域が一日でも早く復興することを心よりお祈り申し上げます。
特に被災した児童や生徒たちにおいては、心のケアというのが重要となります。文部科学省は学習指導員やスクールカウンセラーを石川県などに向けて増員する方針です。被災した児童生徒を受け入れた小中学校などで心の健康問題を含む臨時の健康診断などを行うことも各地の教育委員会に要請しております。
また、私たちのようなNPO法人なども動き始めております。被災した児童生徒たちを預かり、ボードゲームなどで遊んだり、学習を支援したりする取り組みも順次始まっております。
長引く避難所生活では、子どもたちに精神的なストレスがかかり、「赤ちゃん返り」して親に甘えるなど心身に様々な症状が出やすいといいます。
少しでも安心して過ごせる居場所というのが大切になってくると思います。

PTSD対策や災害時の精神保健対策として、サイコロジカル・ファーストエイド(PFA)というものがあります。これは、深刻な危機的出来事に見舞われた人に対して実際的な支援として行われるものです。サイコロジカル・ファーストエイドでは、まず安心感を与えることが何より重要となります。
あまり好ましくないこととしては、災害直後の被災者の方たちに、体験の内容や感情を出来るだけ詳しく吐露させることです。これは、災害などの後で、将来のPTSDを予防するために、36時間以内に体験の恐怖を集中的に聞き出すというカウンセリングの方法ですが、今はその効果というのは否定的になっております。かえって逆効果になるとの懸念があります。
サイコロジカル・ファーストエイドは、専門家が行うカウンセリングとは異なり、専門家にしか出来ないものではありません。実際、サイコロジカル・ファーストエイドのフィールド・ガイドは、医療関係者だけでなく、防災、教育、治安、行政、産業などに従事する人や、NGO、NPOやボランティア関係者のために作成されております。
サイコロジカル・ファーストエイドの活動原則は、「見る」「聞く」「つなぐ」です。
「見る」は、安全確認や明らかに急を要する基本的なニーズのある人、深刻なストレス反応を示す人の確認を意味しております。
「聞く」は、支援が必要と思われる人々に寄り添い、耳を傾けて、気持ちを落ち着かせる手助けをすることなどを意味しております。
そして「つなぐ」は、自分で問題に対処できるよう手助けしたり、情報提供や社会的支援などと結びつけたりすることなどを意味しております。
心理職などの方々は、クライエントに直接触れることはあまりないとされております。そのような時に私たちに出来ることはこの「見る」「聞く」「つなぐ」なのかもしれません。

それでは。

宮崎県宮崎市大橋二丁目167番地
特定非営利活動法人Re・Life
生 活 介 護 事 業 所 ね い ろ
事務長 中西 茂寿【公認心理師】【社会福祉士】