精神障がい者の方たちの能力を企業の力に
2024年1月12日
こんにちは。
宮崎市大橋にあります「 生活介護事業所 ねいろ 」の なかにし です。
自己表現というと才能や奇抜な発想、創造性などを思い浮かべます。しかし、日常のなかでも自己表現の仕方というのはあるものです。自己表現といっても、意見を言ったり、自己主張をしたり、格好良いところを見せたり見栄を張ったりすることとは違います。
多様性が叫ばれている昨今、この多様性を受け入れることは大切ですが、自分の多様性を思い切って自己表現することも重要だと思います。
また、自分の壁を壊して相手の警戒心を解くということも大切です。自分の壁を破ることは相手の警戒心を解くことにもつながるからです。普段見せない一面を見た相手は「悪い人ではないのか」といった行為印象を抱くかもしれません。
多くの人は無防備で一生懸命な人に悪い人はいないと感じる本能を持っているらしいです。
自分をさらけ出すという自己表現というのは、自己開示とも言えます。支援をする人がもつ個人的な感情や価値観、自分自身の経験に基づく内容を、利用者の方に伝えて、支援に活用すること。支援者が一人の人間として利用者の方と向き合い、相互の共感性を示すことで、関係づくりの強化や自己肯定感の高まり、他者に対する信頼感の獲得が期待できます。
このようなことから、自分を表現するということは私たちの支援の仕事にも役立つのかもしれませんね。
さて、2024年4月に障がいのある方の法定雇用率が引き上げられることを背景に、障がい者雇用を活発化させている企業もあると聞きます。しかし、精神障がい者の雇用については十分に進んでいないのが現状のようです。
厚生労働省によると、精神障がい者の人数は614万人と、身体障がい者数を大きく上回っております。精神障がい者については、障がいとして定義されたのは1990年代で障がい者雇用制度の対象とされたのは2018年と、身体・知的障がい者と比べると歴史が浅いのです。
そのために企業は実績や知見が少ないのかもしれません。
雇用が十分に進んでいない原因は何かといいますと、精神障がい者に依頼する適切な業務を見つけられないこと、うつやパニック障がい、統合失調症、注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障がい(ASD)など、障がい特性が個々人により異なるので必要な配慮が画一的でないことがあるらしいです。
逆を言えば、障がい特性を周囲の人たちが正しく理解すれば決して雇用は難しくないということです。
精神障がい者の方たちの中には、仕事への意欲や能力があって、環境さえ整えば求められる成果を上げられるという方たちが多いと思っております。
明文化できるようなこと以外に、コミュニケーションのタイミングを考えたり、遠慮と配慮の区別をしっかりとつけて業務を依頼したり、天候や季節の違いで起こる体調の変化だったりの情報を把握して体調不良になると感じられる場合は先手でケアを行ったり、声を掛けてあげたりと多様性の取り組みというのは、私は「思いやり」だと思います。
この思いやりの気持ちさえあれば、精神障がい者の方たちが活躍できる場は少なくはないと思っております。
それでは。
宮崎県宮崎市大橋二丁目167番地
特定非営利活動法人Re・Life
生 活 介 護 事 業 所 ね い ろ
事務長 中西 茂寿【公認心理師】【社会福祉士】
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公認心理師、社会福祉士を保有する事務長です。