劇症型溶血性レンサ球菌感染症について
2024年8月22日
こんにちは。
宮崎市大橋にあります「 生活介護事業所 」ねいろ の なかにし です。
最低賃金を1,000円超に引き上げる地域が増えております。人材獲得が激しさを増す一方で、私たちのような地方の中小企業は生産性を高めていかなければならない状況が続くでしょう。
ちなみに、宮崎県の最低賃金額は 897 円です。これが10月からは 952 円になるよう答申しております。最低賃金の引き上げというのは可処分所得の増加を通じて消費に波及するという目的があります。経済全体を底上げする効果が見込まれるため、政府はこれまでも最低賃金の引き上げを目標に掲げてきました。
物価上昇を背景に、この4年間で過去最大に最低賃金が引き上げられました。引き上げ幅やペースは企業の価格転嫁や生産性の改善に見合った水準でないと、この賃上げは長続きはしないでしょう。
当事業所「ねいろ」でも、処遇改善加算の必須要件である【生産性の改善】に取り組み、賃金を持続的に上げるようにしていかなければなりません。
さて、私の身近で感染症に発症した人がおりまして2週間近くが経ちます。
感染対策が緩み、人と人との接触が増える中、昨年からは「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」というものが急増している模様です。これは、手足の壊死を引き起こし、命に関わる恐ろしい感染症と言えます。
この劇症型溶血性レンサ球菌感染症の致死率は実に30%です。発症すると手足の壊死を引き起こすことから「人食いバクテリア」と呼ばれております。
原因はA群溶血性レンサ球菌(溶連菌)です。子どもが感染して咽頭炎を起こす菌として知られています。
急増の背景には、やはり新型コロナウイルスの影響が考えれております。新型コロナウイルス感染症が5類感染症になって以来、溶連菌以外にもインフルエンザやプール熱など、多くの感染症が増えてきております。
圧倒的に多いのが足の怪我からだそうです。切り傷ではなくて、打撲がきっかけになっています。また、発症する人には水虫を持っていることが多いようです。
まず、手足に溶連菌が付着します。溶連菌はじゅくじゅくした皮膚が好きなので、水虫や小さな傷があるとそこに定着して繁殖します。しかし、ある時に転倒や何かにぶつけるなどして、その水虫の近くを打撲すると、炎症が起きて腫れると溶連菌が集まり、そこから体内に侵入していくようです。
筋肉を包む筋膜に炎症が起きて、急速に腫れ広がり、やがて壊死を引き起こして黒くなっていきます。壊死が進むと、場合によっては命を救うために切断しなくてはならないこともあります。
現在、この溶連菌のワクチンというのは存在しません。
しかし、やっぱり有効な予防法はフットケアなのです。小さな傷や水虫があると溶連菌が定着しやすいのです。よって、足を清潔に保ち、傷や水虫はしっかりと治療しなければなりません。
感染予防の基本である手洗いも重要です。足よりも先に、溶連菌というのは手に付着します。帰宅後や食事の前には必ずしっかりと流水で洗い流しましょう。
当事業所「ねいろ」でも入浴の際や着替え、支援中には利用者の方たちの体調や様子、身体をくまなくチェックしております。この溶連菌は早く手当することが重要になります。足を打撲したときに腫れが急速に広がって38度以上の高熱が出ることがあれば、迷わずにかかりつけ医に相談するか、万が一には救急車を呼ぶことが必要です。
当事業所「ねいろ」の感染症マニュアルにも、この溶連菌の対策は定めております。
お盆期間中もあってか、世間の感染対策は緩んでおります。また、インバウンドも増えており人と接触する機会が多くなってきております。コロナ禍で人と会うことが減ったなかで病原菌との接触も減って、免疫力が落ちていることもありますので、日頃から皆さんで注意することが重要ですね。
私たちは、この暑い中でもマスクを着用して業務に従事しております。このような感染症の対策にはマスクの着用が重要だからです。溶連菌の感染を抑えれば、結果的に劇症型の予防にもつながりますので。
それでは。
宮崎県宮崎市大橋二丁目167番地
特定非営利活動法人Re・Life
生 活 介 護 事 業 所 ね い ろ
事務長 中西 茂寿
【公認心理師】【社会福祉士】【精神保健福祉士】
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公認心理師、社会福祉士を保有する事務長です。