障がい観の変化と支援職としての役割とは
2024年3月21日
こんにちは。
宮崎市大橋にあります「 生活介護事業所 」ねいろ の なかにし です。
障がい児・者における行政は、この20年ほどの期間で急激に変化してきました。戦後、長年にわたって障がい児・者福祉サービス提供の枠組みとなっていた措置制度は、サービス利用者の意志を尊重することを目的に支援費制度に移行しました。
この支援費制度の主旨は、「当事者が利用したいサービスを選べるようにする」ことであります。制度の見直しを繰り返しながら、従来「身体」「精神」「知的」の三障がい体系で構築されていた福祉サービスを統合して、国は義務的経費として財政支援をするなどを行い、障がい者自立支援法が施行されました。この障がい者自立支援法は、公平なサービス利用のための手続きの透明化と明確化を図りましたが、同時に利用したサービス量と所得に応じた「公平な負担」の考え方を導入しました。この利用者の自己負担をめぐっては、さまざまな問題を繰り返しながら、障がい者総合支援法として名称を変えて法律が施行されることになりました。この間、三障がい体系ではサービス対象から外れることが多かった発達障がいの方を対象とした発達障がい者支援法が2005年4月に施行されております。
障がい児・者福祉の憲法ともいえる障がい者基本法では、「すべての国民が、障がいの有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものである」と記しております。権利条約と同様に「人権」視点を強調しているのです。
何が言いたいかと申しますと。。。
障がい児・者福祉領域における私たち支援職の職務というのは多岐に渡ります。障がい児・者のキーワードは「自己決定(意思決定)」です。発達障がい概念の登場や、従来は治療の対象でしかなかった難病患者の方が障がい児・者サービスの対象になるなど障がい概念そのものの拡張によって、本人支援と家族支援が無前提に一致するなどとは到底考えられない状況が生じております。一方、障がい者が家族から自立して生活するための制度保障は今も著しく不十分であることは皆さんが感じているところだと思います。
これからは、社会モデルといった観点から本人と周囲の心理面を含めた支援が重要になってくると思います。サービスの統合を利用者の方に提供していくことが大切なのです。
障がい児・者の方に対する個別的で具体的な支援方法を知り、障がい児・者とともに暮らす家族に対して、家族福祉や社会診断の観点から評価できる目を持つこと、援助できる技能をもっていること、さまざまな専門性を有する機関のサービスを障がい児・者の方と家族双方の利益バランスに配慮しながら調整する技能をもっていることなどが必要なのです。
何よりも、私たち支援する側が「障がいとは何か」についての不断の研鑽をおこない、自らの言動もまた利用者の方とその家族に対して鏡のようになりうるという自覚をもって職務にあたる必要があるのです。
それでは。
宮崎県宮崎市大橋二丁目167番地
特定非営利活動法人Re・Life
生 活 介 護 事 業 所 ね い ろ
事務長 中西 茂寿【公認心理師】【社会福祉士】
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事務長プロフィール
公認心理師、社会福祉士を保有する事務長です。