特定非営利活動法人Re・Life

事務長の独り言blog

気質を把握して、それに合わせた関わり方を

2025年4月25日

宮崎市大橋にあります「 生活介護事業所 」ねいろ の なかにし です。

人にはそれぞれ生まれ持った気質というものがあります。この気質を土台として、生育環境に影響を受けながら性格というものが形成されて、パーソナリティ(人格)が出来上がるとされています。親子や兄弟でも気質の違いはあります。お互いに異なるタイプの気質を持っているため、そりが合わなかったり、なかなか行動が理解できなかったりすることもあります。この気質は先天的なもので大きく変わるものではありませんので、まず子どもがどんな気質を持っているのかを把握して、それに合わせた関わり方をすることが大切かと思います。

気質には色々な分類方法がありますが、大きく2つに分けることができると考えられています。
それが、ビーイング(Being)タイプとドゥーイング(Doing)タイプです。ビーイングは危険を回避できる場所で、自分の好きなことに集中できるようなタイプです。一方、ドゥーイングは何か行動を起こし、新しいことを見つけることが好きなタイプです。
日常生活でよく観察すると、どちらのタイプなのかが分かってくることがあります。気質は子どもが集団の中で、他人と関わる場面でよりはっきりと現れます。公園に遊びに行った時、ビーイングの子どもは一人で遊んで満足して、ドゥーイングの場合は他の子どもと積極的に遊ぼうとする傾向があります。
臨床心理学の研究によると、ビーイングとドゥーイングでそれぞれ2種類の性格があることが指摘されています。判断基準や注意力、行動などでそれぞれ特徴があり、子どもを理解する参考になるかと思います。
~気質によって形成される4タイプの性格~
【ビーイングタイプ】
・判断基準は、自分と規則
・行動は、単独とこだわり
・注意力は、集中と偏り
・対人関係は、自分と対話と他人への関心は低い傾向
関わり方としては、論理的に、そして規則化やゲーム化が有効です。
【ドゥーイングタイプ】
・判断基準は、他者と感情
・行動は、集うことと演技的
・注意力は、転導(注意の対象が移り変わりやすい)と散漫
・対人関係は、寂しがりやで不安定
関わり方としては、受容と共感を大切にして距離をうまくとり、観客に徹することです。
しかし、気をつけておかなければならない強調しておきたいことがあります。それは、気質や性格の分類は、子どもにレッテルを貼るのが目的ではないということです。子どもを見る目を肥やすための一つの物差しであり、どちらのタイプが良い悪いというものではありません。気質を理解し、その特性を踏まえた関わり方をすると、子どもの意思疎通がスムーズになります。この少しの工夫で、行動も変えやすくなるのです。

気質に合わない行動を無理に強いたり、親の気質に合わせるように求めたりすれば、子どもは必ず負担になります。この過度な負担というのは虐待行為につながる恐れがあります。また、ドゥーイングの行動を求めがちな傾向がある中、ビーイングのタイプの子どもにとっては過ごしづらい環境だと思います。これからは、もっともっと一人ひとりの気質に応じた対応を広げていくべきでしょう。
未来ある子どもにとっても、自分の気質を理解して受け入れ、それに合った職業や生き方を選んでいくことがとても大切だと感じております。
利用者の方たちへの支援、関わり方のヒントがあると思い、パーソナリティの観点からお伝えしました。

それでは。

宮崎県宮崎市大橋二丁目167番地
特定非営利活動法人Re・Life
生 活 介 護 事 業 所 ね い ろ
事務長 中西 茂寿
【公認心理師】【社会福祉士】【精神保健福祉士】