依存症の方たちへの誤解と偏見をなくしましょう
2023年7月18日
皆さん
こんにちは。
宮崎市大橋にあります「生活介護事業所 ねいろ 」の なかにし です。
先日、「依存症」の研修会に参加させていただきました。
薬物、アルコール依存症などありますが、皆さんは依存症と聞くと、どのようなことを考えますか?
依存症とは誰でもなりうるありふれた病気です。さらに、多くの人たちはこの依存症を「意志の問題」や「我慢の問題」として捉えている傾向があります。しかし、この意志や我慢では止められないのが依存症なのです。
もし、本人たちの回復を心から望むのであれば、このような依存症の方たちを病者として支援していかなければならないと思っております。
そうです。依存症とは病気です。よって、回復するには適切な治療と支援が必要になります。
例えば、薬物依存症の方は道徳や犯罪の問題とされて、本人たちは自己責任、自業自得と突き放されます。さらに、社会からも見放されて人権を侵害されます。
近年の日本では、犯罪に対するスティグマがとても強く、違法薬物乱用者はさらに激しくバッシングされます。よく芸能人が薬物に手を出して芸能界から追放されるニュースを目にしますよね。
依存症者の物質的な使用は、悪なのではなく、改善を目指す症状なのです。そのような考えではない世の中では、病者の方たちの人権は著しく傷つけられております。
では、その依存症の最大の問題とは何だと思いますか?
それは、依存症が続けば続くほど、ストレスに弱くなっていくことだと考えられております。そして、当たり前に出来ていたことも出来なくなっていきます。
しかし、それはやる気のなさや甘えなのではありません。誤解されてしまうことが多いのも事実です。そして、家族や支援者との間に深い溝ができます。
依存症を正しく理解して支援していくこと、それはとても重要だと思います。
本日はこれだけ覚えていただければ幸いです。
【依存症の治療における誤解と偏見】
①依存症は病気であるとは思えない
病気と理解できなければ根性論などで対応してしまい、適切な治療や支援ができません。
②依存症は専門医療機関で診る病気
依存症は何ら特別な病気ではないのに診ようとさえしなくなります。
③本人がやめる気にならないと治らない
治療の動機付けこそが治療者の最も重要な役割であるので放置はしてはいけません。
④依存症患者には甘えさせず厳しく指導しなければならない
病者を責めると悪化するように、この厳しく指導する対応は根拠はなくむしろ逆効果です。
⑤依存症の治療には「底つき」が必要
病者を追い詰める方法に有効性はなく、危険な結果を招く可能性があります。
⑥回復にはミーティング(自助グループ)しかない
全ての病者に有効的な治療というのはなく、他にも効果を期待できる方法はあります。
⑦依存症の治療は続かない
他の慢性疾患の治療脱落率と変わりません。続かせるためには配慮が必要です。
⑧何が何でも断酒・断薬を目指すしかない
断酒・断薬に動機付けされない病者には、害を減少させることから始めます。
このように、誤解と偏見をなくして適切な支援をしていくことが大切だと思います。
それでは。
宮崎県宮崎市大橋二丁目167番地
特定非営利活動法人Re・Life
生活介護事業所 ねいろ
事務長 中西 茂寿【公認心理師】【社会福祉士】
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事務長プロフィール
公認心理師、社会福祉士を保有する事務長です。