自閉症の理解について
2023年11月30日
こんにちは。
宮崎市大橋にあります「 生活介護事業所 ねいろ 」の なかにし です。
強度⾏動障がいの方は本⼈が強い困惑を感じ、その解決策が⾒い出せないまま、なんとか抜け出そうともがいている状況と考えることもできますと、昨日お伝えさせていただきました。
私たち支援者がどんな困惑を感じさせてしまっているのか、強度⾏動障がいの状態にある⽅々の⽴場になってみると、もちろん感じ⽅は⼈それぞれ違うと思いますが、自分たちの体験レベルよりもはるかに強い困惑を感じてこられた⽅々であるという思いを持つことができます。
また、 関わる側の特性理解の不⾜による「環境⾯が整っていない状況」が、強度⾏動障がいのリスクを⾼める要因となることもあります。強度⾏動障がいと⾃閉症の関連性は⾼いと言われています。
したがって、強度⾏動障がいへの⽀援を学ぶためには、まず⾃閉症のことを知ることが⼤切です。
現在、⾃閉症のことを正式には「⾃閉スペクトラム症」もしくは「⾃閉症スペクトラム障がい」と呼んでおります。いろいろなタイプがあり、境目のない連続体として広がっているという考え方です。⾃閉症は、社会性やコミュニケーションの困難、想像⼒(目の前にないことをイメージすること)の困難が診断基準となり、感覚の特異性も診断の際に考慮されます。
⾃閉症の⼈たちは社会では少数派です。その物事のとらえ方は、多くの⼈たちとは異なります。⾃閉症の⼈たちがどのような物事のとらえ方をしているのかは、特性を把握し整理することで⾒えてきます。
それは、「強み」と「弱み」と言い換えることもできます。「強み」は⽀援に⽣かすもので、「弱み」は⽀援者が配慮するところ と言えます。よって、特性の把握においては、「強み」と「弱み」の両⾯を整理しておくことが重要なのです。
【社会性の特性】
⼈や集団との関わりに難しさがある
・相⼿への関心が薄い
・相⼿から期待されていることを理解することが難しい
・相⼿が⾒ているものを⾒て、相⼿の考えを察することが難しい
状況の理解が難しい
・周囲で起こっていることへの関心が薄い
・周囲の様⼦から期待されていることを理解することが難しい
・⾒えないものの理解が難しい
【コミュニケーションの特性】
理解が難しい
・話し言葉の理解が難しい
・一度にたくさんのことを理解するのが難しい
・抽象的であいまいな表現の理解が難しい
発信が難しい
・話し言葉で伝えることが難しい
・どのようにして伝えたらいいか分からない
・誰に伝えていいか分からない
やりとりが難しい
・場⾯や状況に合わせたコミュニケーションが難しい
・表情や視線などの非言語コミュニケーションが難しい
・やりとりの量が多いと処理が難しい
【想像⼒の特性】
⾃分で予定を⽴てることが難しい
・段取りを適切に組むことが難しい
・なんとなく、だいたいなどのイメージを持ちにくい
・今やることを⾃分で判断することが難しい
変化への対応が難しい
・先の予測をすることが難しい
・臨機応変に判断することが難しい
・⾃分のやり方から抜け出すことが難しい
物の一部に対する強い興味
・興味・関心が狭くて強い
・細部が気になり違いに敏感
・少しの違いで⼤きな不安を感じる
【感覚の特性】
感覚が過敏または鈍感
・聴覚の過敏や鈍麻がある
・視覚の過敏や鈍麻がある
・触覚の過敏や鈍麻がある
・嗅覚の過敏や鈍麻がある
・味覚の過敏や鈍麻がある
・前庭覚の特有の感覚がある
「理解に始まって理解に終わる」のが⽀援なので、わかったつもりにならないことが⼤切です。
また、苦⼿なことには配慮し、得意なことは活かすのが⽀援の基本です。
得意なことを把握することはとても⼤切です(苦⼿と思われていることも「ここまではできる」という⾒方もできるし、視点を変えれば「強み」になることもあるはずです)。
周りに相談できる人がいなかったり、孤独だったり孤立状態にあったりする人も多くいると思います。孤独や孤立を感じる生活の背景には経済的な困窮がある場合も多いと聞きます。私たちは支援員として、そういった方々や利用者の方、そのご家族が気軽に相談できるようにして、潜在的な困り感・事を引き出してサポートできればと思っております。
それでは。
宮崎県宮崎市大橋二丁目167番地
特定非営利活動法人Re・Life
生 活 介 護 事 業 所 ね い ろ
事務長 中西 茂寿【公認心理師】【社会福祉士】
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事務長プロフィール
公認心理師、社会福祉士を保有する事務長です。