特定非営利活動法人Re・Life

事務長の独り言blog

発達障がいの人たちが持つ集中力や知識を生かすということ

2024年1月23日

こんにちは。

宮崎市大橋にあります「 生活介護事業所 ねいろ 」の なかにし です。

先週のお話ですが。。。ある学校の先生が体育の授業中、生徒たちに下記のような注意をしたみたいです。
「落ち着きがないとかいう部分でADHDと間違われたら、社会に出て損をするぞ」と。
私はその言葉を聞いて愕然としましたね。まだそのようなことを言う人がいるのかと。。。
注意をされたその生徒たちは、おしゃべりや落ち着きのない行動をとっていたかもしれませんが、ADHDを引き合いに出して、社会に出たら苦労するなどという差別的な用語を使ってはほしくなかったですね。
ソーシャルエクスクルージョン(社会的排除)とは、戦後のフランスにおいて、一部の人々が貧困や障がいなどによって社会全体の復興から取り残されてしまった言葉を表す言葉として用いられております。
今はその逆で、ソーシャルインクルージョンです。
ソーシャルインクルージョンとは「社会的包摂」というもので、障がいの有無などに関係なく、誰もが社会の構成員として尊重される社会を目指すことをいいます。持続可能な開発のための2030アジェンダにおいても、その理念の一つに「誰一人取り残さない」ことが掲げられており、人間、動植物、自然環境等を含めた地球全体における共生社会を目指しているのです。

発達障がいなどの特性を持った人々が持つ高い集中力や知識を、人工知能(AI)やサイバーセキュリティといったテック業務で生かすニューダイバーシティ(脳の多様性)の取り組みが広がっているようです。不得意なコミュニケーション力や情緒は周囲が支えて、チームとして大きな成果を上げるのです。ジョブ型採用の広がりも背景に、人事担当には障がいの有無に関わらず、個々の社員が持つ「尖った個性」の見極めが求められています。
生かされているのは高度な集中力やひたすら同じ操作を繰り返して常に仕様通りの結果が出るかや、開発側も想定しない自由なプレイによる不具合の有無を確かめているようです。
障がいがある方のスキルは特殊なものといった偏見は持つべきではありません。
どんな人にも得意不得意の分野があり、その差はありません。障がい特性のある方のマネジメントは、各人の特性を最大限に生かすという一般的なマネジメントの同一線上にあるのかもしれません。
【ニューダイバーシティ】
専門人材不足に苦しむシリコンバレーが発祥とされております。
明確な医学的根拠は不明ですが、テック以外でも、品質管理や統計処理など知識や集中力が必要な業務が向くということとされております。

文部科学省の22年12月公表の調査によると、通常学級の小中学生の8.8%が発達障がいの可能性があるといいます。
古い偏見にとらわれる組織は新時代の【金の卵】を逃し続けるのかもしれませんね。
教育の場では金の卵を育てず、金太郎あめのような同じような人を育て続けるのですかね。。。

それでは。

宮崎県宮崎市大橋二丁目167番地
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生 活 介 護 事 業 所 ね い ろ
事務長 中西 茂寿【公認心理師】【社会福祉士】