特定非営利活動法人Re・Life

事務長の独り言blog

お薬の知識については支援に必要ですね

2023年4月26日

皆さん
こんにちは。

宮崎市大橋にあります「生活介護事業所 ねいろ 」の なかにし です。

当事業所では、服薬の管理とはいきませんが定時でお薬を飲ませてほしいなどのことがありましたら、看護師の指導の下に服薬の管理をしております。
ここでは、少しお薬の知識について触れたいと思います。
「精神刺激薬」というものがあります。これは、注意欠如・多動症(ADHD)や特殊な睡眠障がいへの治療薬として使用されている薬です。
ADHDでは、前頭葉でのドーパミンとノルアドレナリンという神経伝達物質の作用の不均衡さが、多動や不注意などの症状に繋がっていると考えられています。
代表的な精神刺激薬であるメチルフェニデートは、脳内ではシナプスにおけるドーパミントランスポーターとノルアドレナリントランスポーターを阻害して、興奮性神経伝達物質の作用を強化します。それにより注意力の向上や覚醒作用を得ます。
ADHDは不注意・多動性・衝動性の3つの主症状とする、神経発達における脳機能障がいを背景とした精神疾患と言われております。
この治療においては、環境調整などの心理社会的介入が基本です。
近年ではメチルフェニデート、アトモキセチン、グアンファシンの3つの精神刺激薬が国内で承認されて、薬物治療の選択肢が広がっております。
私たちは医師でも薬剤師でもありませんが、薬の知識について最低限知っておきたいものがあります。それは特徴や副作用だと思います。利用者の方を支援する上でも大切なことだと思っております。また、当事業所では防災カードというのを作成しております。これは、万が一の際に携帯してその方の連絡先から注意するべき事項、服薬しているものなどを記しております。薬の知識があれば、万が一の時にはその人特有の特性なのか薬の副作用なのかの判別はつくと思います。
さて、よく耳にする薬は次の4つくらいでしょうか。
①メチルフェニデート
ADHDの症状への緩和、食欲の低下が良く見られます、体重減少は多くはありません。物質使用障がいがない場合、依存へのリスクは高くありません。
主な副作用としては食欲低下でしょう。朝の内服のため昼食を取りにくくなります。
②アトモキセチン
依存性の心配はありませんが、効果が得られるまで1ヶ月以上はかかります。メチルフェニデートと比較して効果の確実性は高くはありませんが、比較的処方しやすい薬です。
副作用としては悪心などの消化器症状が起こりやすいです。消化器症状が起こりやすいです。他には頭痛や傾眠などが生じる可能性があります。
③グアンファシン
依存性の心配はありませんが、消化器症状が少ない代わりに傾眠や血圧低下が起こりやすいです。衝動性や攻撃性の緩和にも期待できるとされている薬です。
副作用では、もともと降圧薬としてデザインされた薬なので血圧が低下しやすく、時々失神に繋がるために注意が必要です。消化器系の副作用は少ないですが、眠気が生じやすく、寝る前に飲むなどの調整をしても日中に眠気が残ることがあります。
④バルプロ酸ナトリウム
もともとてんかんの治療薬として使用されておりました。副作用としては、劇症肝炎や高アンモニア血症、汎血球減少、薬疹などに注意が必要です。また、頻度が多い副作用には悪心などの消化器症状や頭痛、めまい、傾眠、体重増加、脱毛などがあります。

このように、利用者の方たちの様子は内服しているお薬で状態が変わることがあります。連絡帳や送迎の際には事業所でどのように過ごしていたか等、事細かに保護者の方たちにはお伝えしているところです。
何か変わったことや気になることがありましたら、職員へ何なりとお申し付けください。

それでは。
事務長 なかにし の独り言でした。

宮崎県宮崎市大橋二丁目167番地
特定非営利活動法人Re・Life
生活介護事業所 ねいろ
事務長 中西 茂寿【公認心理師】【社会福祉士】