特定非営利活動法人Re・Life

事務長の独り言blog

ゲートキーパーとしての役割

2025年1月31日

こんにちは。
宮崎市大橋にあります「 生活介護事業所 」ねいろ の なかにし です。

2024年の小中高生の自殺者数が暫定値で527人となって、過去最高となったようです。新型コロナウイルスの流行下で増えて、歯止めがかかっていないような状況です。予兆が見えにくいケースが多いようです。
ゲートキーパーという人がいます。
この場合のゲートキーパーは、自殺の場合では、自殺の危険を示すサインに気づき、その人に声をかけて、話を聞いて、必要な支援に繋げるなど、適切な対応を図ることが出来る人を指します。このゲートキーパーには、専門性の有無は問われません。
自殺対策におけるゲートキーパーは、悩んでいる人に寄り添い、関わりを通じて孤立や孤独を防ぐようにする役割があります。また、悩んでいる人のプライバシーに配慮しつつ、支援者同士はなるべく協力できる体制を構築しておく必要があります。悩んでいる人から、たとえ「死にたい」という発言がなくても、自殺のリスクについては評価しておく必要があるのです。
厚生労働省がまとめた全世代の自殺者数は2万268人に及んでおります。自殺対策基本法によれば、国、地方自治体、医療機関、事業主、学校、自殺対策に係る活動を行う団体その他の関係者は、自殺対策の総合的かつ効果的な推進のため、相互に連携を図りながら協力するものとされております。またこの対策というのは多様かつ複合的な要因及び背景を有するものであることを踏まえて、単に精神保健的観点からのみならず、その実態に即して実施されるようにしなければならないとなっております。
実際に、自殺者の約7割は、生前何らかのかたちで誰かに相談しているということが分かっております。しかし、ここで注意が必要なのは、勇気をもってSOSを投げかけたのに中途半端な対応をされると、気持ちを打ち明けにくくなるということです。危険因子と言うものがあります。そこを理解しておくことが必要なのです。それは、過去に自殺念慮があったり、自傷歴・自殺未遂歴があったこと。精神疾患にかかっていることや相談相手がおらずに孤立している、また進行性の重篤な病気を抱えていたり、慢性的な疼痛に悩まされていたり、強いストレッサーに曝されている(親しい人の死、失職、経済的困窮など)があります。
希死念慮や自殺念慮を抱いたり、実際に自殺を企図したりする人というのは、「死にたい願望」と「助けられたい願望」とが共存しているとされています。具体的な対応としては、先ずはその対応を一人で抱え込まず、必要に応じて、守秘義務を超え、相談者の家族や職場、他の医療・相談機関などと連携を図ることが大切です。様々な社会資源を活用しながら継続的に支援してくことが必要なのです。本人が語る時には、自分自身を傷つけている場合があります。よって、自殺というものが1つの選択肢であるという考えを一旦受容しつつも、自殺が正しい判断ではないことを確認していかなければなりません。うつ病の人に、明るく、気軽に接することは逆効果になることもありますからね。

国や自治体は1人1台の学習端末から異変を察知する取り組みを進めるようです。
長野県では、自傷行為など自殺の恐れがあると学校が判断した場合、精神科医や弁護士らでつくる「危機対応チーム」が助言にあたっています。
家庭や学校、病気、経済的な理由など複数の要因が重なり合っているケースもあるようです。そのくらい今の子どもたちはストレスを感じやすい環境に身を置いているのですね。
この問題は、個人的な問題だとして捉えられるべきものではなく、その背景に様々な社会的な要因があることを踏まえて、社会的な取り組みとして実施されなければならないと感じております。

それでは。

宮崎県宮崎市大橋二丁目167番地
特定非営利活動法人Re・Life
生 活 介 護 事 業 所 ね い ろ
事務長 中西 茂寿
【公認心理師】【社会福祉士】【精神保健福祉士】