職員の定着についてのカギ
2025年4月7日
宮崎市大橋にあります「 生活介護事業所 」ねいろ の なかにし です。
総務省の調査によると、介護を理由に離職する人は年間10万人いると推測されています。人手不足が深刻化するなかで、それは企業にとって大きな痛手となります。
離職まで至らなくても仕事に支障を来たすことは少なくありません。労働生産性への影響などで、2030年には約9兆円の経済損失が生じると経済産業省は予測しております。
4月から介護離職を防ぐための雇用環境の整備が企業に義務付けられました。団塊の世代がすべて75歳以上となり、親などの介護と仕事の両立に悩む働き手は今後確実に増えてくると思われます。
当事業所「ねいろ」でも、この介護離職を大きな経営リスクととらえて対策を講じなければならないと感じております。4月施行の改正育児・介護休業法では、仕事と介護の両立支援制度について、研修や相談窓口の設置などを企業に求めております。制度を利用する意向を社員に個別に確認することも義務付けています。介護休業とは、通算93日取得できるなど法律で定められている制度があります。この制度を知らない人は多いかと思いますが、今後は独自の両立支援策と併せて情報提供を行い、支援の拡充も検討していかなければならないでしょう。
政府は企業に対して従業員にも占める障がい者の割合を「法定雇用率」以上にするように求めています。これは、人手不足による課題を解決する一つの手がかかりになるのではないでしょうか。
例えば、2024年4月からは民間企業で2.5%となり、精神障がい者は2018年から企業による雇用が義務付けられました。法定雇用率は2026年から2.7%に引き上げることが決まっております。この精神障がい者の雇用というのが近年広がっているのです。厚生労働省の調査によると、雇用者数は10年で5倍以上に膨らんでおり、精神障がい者保健福祉手帳を持つ人数というのも2023年時点で約145万人と、10年間で倍近くに増えております。もともと障がいがない人でも、うつ病や統合失調症などを発症すれば精神障がい者になりえるのです。ASDや注意欠陥多動性障がい(ADHD)などへの認識が進んだという側面もあるかもしれません。長く働いてもらって職場の戦力に育てようと、昇進制度を設けたり、独自の人材育成プログラムを開始したりと、企業側の取り組みが進んでいるのです。
精神に特性のある方たちは、時期や季節によって体調に変化があるほか、人によって障がいの類型に違いがあるために、個々に応じた配慮というのが欠かせません。
かつては精神障がい者の方たちは働かなくても構わないという先入観がありましたが、今は企業側が受け入れて一緒に働く経験を積み重ねてきております。当事業所「ねいろ」も含めて、この雇用については能力に見合った処遇が得られる仕組みをつくり、それを広げていければと思っております。
それでは。
宮崎県宮崎市大橋二丁目167番地
特定非営利活動法人Re・Life
生 活 介 護 事 業 所 ね い ろ
事務長 中西 茂寿
【公認心理師】【社会福祉士】【精神保健福祉士】
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事務長プロフィール
公認心理師、社会福祉士を保有する事務長です。