特定非営利活動法人Re・Life

事務長の独り言blog

偏った見方をしていませんか?

2025年5月21日

こんにちは。
宮崎市大橋にあります「 生活介護事業所 」ねいろ の なかにし です。

権力や地位を利用して暴力的な言動や行動を行うパワーハラスメントから派生して、セクシャル、マタニティー、モラル、ジェンダー、アルコール、ロジカル、テクノロジーなど職場には多くのハラスメントが存在します。
ハラスメントは弱い立場にいるものを守るために誕生した概念ですが、多様化しすぎて上司が部下を腫れものに触るように扱ったり、適切に接したりすることができなくなっていると聞きます。最近では、心理的安全性の高い職場を目指して、部下の負担を過度に減らそうとしていった結果、部下の成長機会が奪われるとするホワイトハラスメントまで登場しています。このハラスメントですが、どうすれば減らすことができるのか。。。それは、偽りなく等身大で前提をすり合わせることが重要だといいます。会社が掲げるカルチャーや価値観をあらかじめ理解した上で求職者が入社すれば、上司も部下もそのルールに従って仕事ができるといいます。また、ホワイトハラスメントが引き起こす職場環境によって、会社の業績は伸びづらくなるのです。上司は気を使い過ぎて、部下に仕事を任せられず、仕事が減らない。部下は成長機会が奪われてキャリアの安全性が脅かされる。過剰にハラスメントに反応することなく、会社が定める価値観などに従って動けるようにすることが大切だと思います。
そして、職場の人間関係においては、マインドの持ち方を意識することが大切です。広い視野を持って物事を見るべきだと分かっていても、人間はいつの間にか全体を見失い、狭い視野で偏ったものの見方をしてしまいます。
この物事の見方や考え方のたとえでよく使われるのが、ゲシュタルト心理学の旅人の話です。
馬に乗った旅人が吹雪の中、雪の覆われた平原をやっとの思いで越えて、幸運にも宿にたどり着きました。宿の主人が驚きながら「あなたが通ってきたのは湖の氷面だったのを知っていますか?」と尋ねると、旅人は急にとてつもない恐怖心に襲われ、ショックのあまりその場に崩れ落ちてしまった。。。という話です。宿の主人に聞かされるまで、旅人の心に映し出された環境はただの平原だったところが、実際は湖の氷面だったのですからね。
ゲシュタルト心理学から、上司・部下・同僚の悪いところばかり目につくという人は、先ほどの旅人の例のように視野が狭くなって一部だけにとらわれやすい心理状態になっている可能性があります。もしもそのような状態に陥っている人は、自分の世界だけにとらわれずに全体を俯瞰するように心掛け、偏った見方をしていないか自省することで、周りの景色や環境は大きく変わっていくと思います。
人の認識や心理現象もパーツごとに捉えるのではなく、意味のある一体のものとして全体を捉えて気づきを得ていくことが大切なのではないでしょうか。

それでは。

宮崎県宮崎市大橋二丁目167番地
特定非営利活動法人Re・Life
生 活 介 護 事 業 所 ね い ろ
事務長 中西 茂寿
【公認心理師】【社会福祉士】【精神保健福祉士】