特定非営利活動法人Re・Life

事務長の独り言blog

本人の立場に立つということは、基本となる姿勢です

2023年9月4日

こんにちは。

宮崎市大橋にあります「 生活介護事業所 ねいろ 」の なかにし です。

皆さんは「Y問題」というものをご存知でしょうか。
これは、ある大学受験を控えていたYさんの話です。受験への精神的負担と腰痛による身体的負担が重なり、それが原因となって親子関係に影響を及ぼし、親子喧嘩など家庭内に緊張が生じておりました。心配した家族が知り合いの医師や保健所、精神保健相談所の精神科ソーシャルワーカーに相談したところ、保健所の精神科ソーシャルワーカーが、本人の意向を一切聞くことなく警察官の応援のもとに無抵抗の本人を「家庭内で親に暴力をふるい、親が対処できずに困っている」という理由で精神病院に入院させました。

これには、いくつか問題があります。
それは、本人不在によって物事を進めていたこと、無診察であったこと、精神保健福祉士によって医師の記録として扱ったこと、警察が安易に介入したことなどが挙げられます。
皆さんはどのように考えますか?
やはり、支援においては本人の立場に立つということが一番だと思います。本人の立場に立つということは、私たちが本人の立場に直接的、同時的に入れ替わるということではなくて、本人の立場を理解してその主張を尊重することを意味しております。このような基本的な姿勢に沿って努力していけば、現制度の下で従事する私たちとってどこまで可能かは、各自の力量にかかっていくのではないでしょうか。
人権を尊重するということは、このY問題の提起する人身拘束にかかわる問題だけでなく、障がいを抱え生きづらさを感じている人たちの諸権利を含めた広義の人権の問題として捉えなければならないと思います。

それでは。

宮崎県宮崎市大橋二丁目167番地
特定非営利活動法人Re・Life
生 活 介 護 事 業 所 ね い ろ
事務長 中西 茂寿【公認心理師】【社会福祉士】