特定非営利活動法人Re・Life

事務長の独り言blog

褒め方とやる気について

2024年9月9日

こんにちは。

宮崎市大橋にあります「 生活介護事業所 」ねいろ の なかにし です。

障がいを持った方が仕事にやりがいを感じたり、スキルアップしたりできる職場を目指す中小企業が増えているようです。
障がい者雇用促進法は企業に対して、従業員数に占める身体や知的、精神に障がいを抱える人の割合を一定以上にするよう義務付けています。
4月の法改正後は従業員40人以上の企業については2.5%となりました。2026年7月からは対象が従業員37.5人以上に広がり、2.7%以上の雇用が求められます。
ただし、受け入れ環境は企業によってバラバラすが、障がい者のやる気を引き出してスキルアップを後押しする仕組みが大切なことだと思います。経営者や人事担当者の方たちが特別支援学校や就労支援施設などを積極的に訪ねて、入社希望者に仕事内容を事前に伝えたり就業体験の機会を提供したりして、会社と社員のミスマッチを防ぐことが障がい者理解の最初のステップかもしれません。
抱える障がい特性によって少しずつ対象は異なるものの、社員の個性を考えて信頼関係を築くことが休職や退職を防ぐ一歩となると思います。
今後は、法定雇用率を満たすための数合わせではなく、戦力と考えて処遇を考えていくことが大切となるかもしれませんね。

さて、当事業所「ねいろ」でもハラスメント防止に対する規程を定め、宣言を行い事業所内に掲示しております。ハラスメントや多様性の受容の視点など、事業所においては課題の多い時代となっております。
米コロンビア大学の心理学者、クラウディア・ミューラー教授とキャロル・デュエック教授は「ほめ方」について次のような実験を行っております。
難易度の低いテストを公立小学校の5年生の児童400人に受けてもらい、成績に関わらず各児童に「80点以上でした」と結果を伝えて、無作為に3つのグループに分けました。そのうえでそれぞれの児童に対して「頭が良い」と能力を褒める、「よく頑張った」と努力を褒める、何も褒めない、と対応したそうです。
その後いくつかの実験を通して、努力を褒めたグループは、さらに難しい勉強に挑み成績を伸ばしたようです。能力を褒めたグループは、難しい勉強を避けて、その後の成績が下がりました。
興味深いことは、何も褒めなかったグループの方が、能力を褒めたグループより難しい勉強に励んでいたことです。褒め方はその後の意欲や結果を左右して、褒め方を間違うとかえって害になる可能性があるのかもしれませんね。
取り組まないといけないということに対して意欲が落ちている時は、うまくいっていない部分ばかりに意識が傾きます。そういった時は、自分自身で褒め方を工夫して、ここまで努力してきたプロセスや足跡を労うことが大切だと思います。
褒め方とやる気は紙一重なのですね。

それでは。

宮崎県宮崎市大橋二丁目167番地
特定非営利活動法人Re・Life
生 活 介 護 事 業 所 ね い ろ
事務長 中西 茂寿
【公認心理師】【社会福祉士】【精神保健福祉士】